桐生 kiryu(2)2009

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これからのここでの生き方の模索その途上で

肉体精神の疲労には
自他の区別なき自然から捉えて
肉体精神をそのつど鍛え再構成し
自然の力そのものを発現している物質の動きのなかにあって
自己を自律させ調律することが
自然そのものから要請され
暮らしのなかで日常的なこととなると
狭い思考の道筋
論理のための論理、知識のための知識から距離をとり
人間の進歩という狭眼の虚構から離れて
深い感覚と視野のなかに有限な繋がりを帯び
何らかの新しい風景を見つけるのとは違った 眼と耳の垂直なあり方を求めて
腕のゆりかごのなか下方へと眠っていく子のまなざしに応えるように
何かを奥底に無限に宿していく旅の醍醐味

自らが楽器と化してゆくそのような道筋を通って
旅せずして旅をする
楽器の身体のなかになにか得体の知れない剝ぎ取られた
だが悠然としていて淡い輪郭を帯びた
遥か向こうの水平線から立ち上がってくる
そのような人間のすがたを求め旅を実感していくこと