東北地方

青森 aomori, japan 2006

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蔦の葉の、あるがままに。
微明の未来を、そこに。




田沢湖 tazawako, japan 2006

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その震える唇から、声が漏れることはなかった。
だが、背に大きな穴のあるその老人は知っていた。
唇の先端から揺れた言葉が流れいで、
私の骨髄を這い上がっていたことを。




八幡平 hachimantai, japan 2006

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凍てついた石のまぶたが流動する水で満たされる。
冷えきったまぶたであるが故に炎症をおこした発赤は、
涙という硬質な液体で鎮められる。




秋田 akita, japan 2006

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脳が唯一の存在ではない。
身体があり、呼吸する皮膚がある。

音を音として思い知るために、
自然を自然として思い知るために、
人は、今、裸体になるということを考えねばならない。




福島 fukushima, japan 2006

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空間という窓。
覘かれた時間。

音が時間であるなら、言葉は音の空間かもしれない。




恐山 osorezan, japan 2006

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風の音が聴こえてくるとき、
緩やかに呼応しながら、
内面へおりてゆく。

そして再び、すべてをゆだねることができるだろうか。
その先に広がる野に向かって。