甲州 koshu (4), 2008

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アブラムシの心がわかると言った人がいた
さすがにそんなことはないだろうと思っていた

ある出来事のなかをとおりすぎるとき
瞬間が連続していくのがみえる

アブラムシの眼 蠅の眼 コンドルの眼 カメラの眼 私の眼
瞬間のみえ方は違う

蠅が一つの有機的身体なら
蠅にも心があるだろう

ノックアウトマウスを思うとき
彼らの恩恵に値することを私はしているか

今日において
新薬の開発過程と
新しい「美」の概念の創出過程とのあいだに
本質的な差異は見出せるか