別府 beppu(2)2009

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言葉のものごとを限定する力
否定の力動に抗うことなく表現の道筋を通り
世界を否定しつづけてある地点にたつとき
否定の否定によって今度は
世界から照射された自己をふり返る
そのとき言葉は言葉の限定力をこえて
沈黙からもれだした言葉のかけらへと
失敗する言葉へとつきぬけていく
多極的に重層的にそしてまさに音楽的に
だが当の言葉によってそこにやっと詩が
自ずから姿をみせるときがくるだろう
個々なるものそして誰もが
一なるものすべての言葉すなわち沈黙の
発露としてあらわれいまここにある
その力動が観えて聴こえてくる

世界に呼応する自己の動きに徹し一つの世界を感じながら
ガルシア・ロルカは詩を創造し続けたにちがいない
その詩をつたなくとも音読してみたり資料を読んでいると
死から言葉が投射されて生の言葉のかけらが生じているように聴こえてくる


Viento estancado a las cinco de la tarde
sin pájaros   


冒険すること
一つの失敗のなかに次なる道を拓く
そうした旅をしていくことができるだろうか