東京

筋目書き(二十四)

R0016086++
写真が語っているとき写真は音を呼ぶ。写真のテクスチュア、文脈や展開、形式による物語性から鳴りだす音楽は主情の影の一型になりうるが、音を呼ぶ根源的契機は視覚に掠め取られた写真粒子のかたまり、次元を剥奪されてはいるがかろうじてかたちをなしている物体のかけがえのない痕跡がこの身体を透過する亡霊の聴取にある。写真から何が聴こえたか、写真の音をどう観たか。光のなかの闇、モノクロームのなかの色が音であり、音楽は無ではなく光と闇の隙間に揺らぎうごめく淵から出来してくるようだ。写真を視ながら音を待って弾くとき、聞こえないがここに聴かれた音と弾かれ聞こえている音の隙間で主情と物の怪が交差する。言葉が言葉の光と闇を忘れ去るとき人間は死へ向かって歩きはじめるのではないか。写真と音楽の間に我が身を立たせることは光と闇の間隙に立ち、忘れられた言葉の身体の糸を紡いでゆく試練としての行為かもしれない。写真と本文へ… to photo and read more…