筋目書き(三十六)雨月3 白峯の夢

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墓の前での西行の歌によって崇徳院の怨霊が登場し、場面は夢の音楽のなかにいるような両者の対話へと突入する。歌に始まる夢の音楽は、生者の思考を連れ去り、魂を運び、死者の思いをこの命に与える。 「記憶を喪った現在と、だれの理性にももはや捉えられぬ未来を前に、私たちはいずれ生を終えるのだろう、せめてあと少し留まりたいとも、たまには戻ってこられればと思うことなく(W・G・ゼーバルト『カンポ・サント(聖苑)』)」。ヴァルター・ベンヤミンは言う。「ある日、魂たちは絶望へと目覚める。これが、すなわち、日記の生まれる日である」 。またこうもー「幽霊的なもののなかには、生命を生み出すすべての形式が、存在形式としてあらかじめ形成されている」。…写真と本文へ… to photo and read more…