東京 深大寺(2) tokyo, 2008

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せせらぎのなかにひっそりとたつ石仏に祈る人がいた。彼女の顔は土色をしていた。ねずみ色の帽子が、髪の抜けた頭部を強い日差しから守っていた。彼女の運命を想った。彼女はしばらくたたずんでから、唐突に両腕を逆八の字に天にかざし、石仏に深く礼をした。

水の流れをみることはできる。だが、水の流れる動きを止めることは容易なことではない。その石仏は流れる水に別な道を与えるための支えだった。