February 2009
benaoján(2), spain 2008
19/02/09 20:23 BENAOJAN (spain)
焦点のない眺め
一点にふりそそぐ視線の根
すべての境目が融和し
足下からずっと続く岩石が心に緩衝する
薄緑色の空が心に映る
ちょうどそこにあった池の
透き通った湧き水にしみ込む足
水のぬめりを感じる
その感触とたわむれようとせずに
ただ故郷を感じる
生きる重みから離れたこのひとときに
知らず知らず
身体が重く心へ語りかける
ここはどこなのかと思う間もなく
ここから遠くはなれて
どれくらい時がたったのか
再びここへと戻ってくる
そのときここはここではない
ここは私の故郷へと還るための窓
その窓を通じてここは
「私ーここ」のがんじがらめの
物質的絆から開放され
ここでなくなる
ここを私の窓そのものとすることによって
ここをここでなくすこと
benaoján, spain 2008
01/02/09 20:24 BENAOJAN (spain)
春を迎えれば東京をでていく
垢を落とし再出発して歩む
脱皮
蝉のように
内側から
ひそかなる飛躍を
残すもの残されるものを
残りの生への思いと
脱皮殻を思う
脱皮が深まるだけ
味わいもでるだろうと
殻に愛着がもてるようにと
殻の残し方朽ち方を思う
変態
残りの生にむかって
一匹の蛹となるために
擬態という奥深い知恵が要る
一つの個の形を求めるために何十年も備える
生をまっとうするにはそれだけの準備が要る