犬山 inuyama(5)2009
25/07/10 14:27 犬山
私は身体のどこかで権力について考え続けているようなのだが
このこと、つまりはきっと、私に内在している権力について
どう捉えてよいかずっとわからないで保留したままでいる
けれど困ったことに少し書いてみたくなった
少しの書物を読んだくらいのくだらない感想よりも
少しのきっかけを大事にして
先日亡くなられた大野一雄さんの踊りを
24歳のとき初めてみた
こびりついた何かを思い起こしながら
何か
もうこのときすでに消えている 刹那や永遠の磁場でなく
白い紙へ綴る手前 白い紙すら思考できない場
無が無化されるとき 何かから存在しだす
何ものか
何かから 何ものかへの 絶え間のない運動
内部に蠢動する不気味な力と絶えず闘いながら
無が無化される場 生ずる瞬き
瞬きの内部を通過しなければ
現実は真にあらわれない 自然は本性をみせない
身体が入り口へと入る 入門が出口である維持 持続
入ることが出ることであるような門際に い続ける
ゆっくり動いている 絶えず生きている ただ
あるだけの命
現実の裂け目を拾う写真
自然の裂け目に到来する音楽
社会の裂け目を担う臨床
そういってみるなら
それらの裂け目を貫く運動でありつづけなくては
自らの権力と垂直な身体にはなれない
言葉そして批評も
現実の裂け目
自然の裂け目
社会の裂け目
その裂け目に際どく生き続ける
内部感覚あるいは思考を欠いて真はない