sevilla (9), spain 2008

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巣をなくした燕の羽の動き

断念し離れていくように
脱していくように
表出された音のリズム
離脱音の力
生命維持の意思力と
別なる生への契機
離脱音の跳躍
そのリズムは生命を欠くことはない
燕の意思を鳴き声に感じ
羽の躍動にリズムの絶対性を感じる
すべては感じ取ること

胎児の鼓動もまた絶対的リズムのなかにある
心音の倍音とともにあるその自然発生的なリズムは
ずれを内に潜ませ次への躍動を溜め込む
血液の離脱生成反跳する自発的鼓動
離脱を促したリズムは再び刻まれ
心臓は無償で打ち続ける

燕は古巣にかえり再び
似て非なる時空を生成する

音楽という命の息吹の一つの力は
時空の離脱生成の運動であり
絶対的リズムの表出である

離脱をはかるために音楽的本質への希求がある
同時に離脱することはリズムの誘発であるだろう

そして言葉の離脱
すなわち言葉のリズムの誘発のなかに
詩の生成の萌芽があるだろう
人間にとっての音楽があるのならば
音楽は必然的に詩を含むものであるだろう

日々の鍛錬として書き続けること