東京 田園調布 tokyo, 2008

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一人の老人をみた。
ゆっくりと、本当にゆっくりと湯船につかった。
その顔貌のなかには、笑いともつかない微笑みがあった。
やせこけた肢体には、厳格な人間の骨格があった。
微かな筋の動きのなかに、その生が蓄積していた。

尊厳は、朽ちていくことのなかにあらわれる。