犬山 inuyama(7), 2008
12/08/08 21:39 犬山
思い起こせばあの日
私はその人に事の推移を伝えたのだった
それまで浮遊していたことばの断片を
ことばの重力そのもので結集させることだった
それはほんの一瞬であったのに
私の心のすべての力を要した
毎日少しずつでも楽器を弾くこと
休みがあればどこかで写真を撮ること
私にはそんなことしかなかったのであるが
それは私のなかの他者の夢を現実に押し出すこと
私はその夢の力こそを信じていたのである
そうした力を結集してことばを発する
そこに伝わる夢があった